■ 関西有数の大企業
良くも悪くも古き良き日本企業。100年以上続く関西では有数の大企業という立ち位置で、水道管や農業機械など景気に左右されにくい製品を扱っていることもあり、安定感がある。社員は真面目で、愛社精神の強い人が多い反面、革新的な取り組みには消極的な風土。終身雇用を前提とした雰囲気で、福利厚生や定年後再雇用などの制度が整備されていて、社員を大事にする。年功序列の風潮がまだまだ強く、仕事で成果を上げても評価されにくい。最近はハングリー精神のある中途採用も増えてきているが、新卒はとくに地道にコツコツやるような温厚で真面目なタイプが多い。法規制に対するコンプライアンス意識は強く、まじめに仕事をしている。また、良くも悪くも団体行動を好む傾向にあり、休日のイベントも多数開催される(但し、参加を強制されることは無い)。クボタの製品は、ライフサイクルが一般消費者向け製品と比べて長く、製品の特性上頻繁な変更が好まれないため、開発スケジュールに余裕があり、のんびり仕事をしている人が多い。そのため、業務の効率化については個人の裁量に任されており、上からうるさく言われることはあまりない。ただし、並行していくつもの製品の開発を進めるため、仕事が暇になることはない。また、農業機械は景気の影響を受けにくい事業なので、リスクを嫌ったお堅い意思決定が多い。石橋を叩いて渡らないこともしばしばなので、投資案件の稟議を得るのは、かなり大変である。
近年では、グローバルメジャーブランドを目指すというメッセージを社内外に発信しており、対外的なイメージを重視したグローバル化やダイバーシティが推進され、育児休暇・有給休暇取得奨励が急速に導入されている。
■ あたたかい会社
クボタは非常にあたたかい会社。すべての社員をゆっくり育てていくという姿勢がある。一方で、なるべく平等に扱おうという意識が強過ぎるため、個性の強い社員は働きづらい。また、様々な事業部があるため、希望とは異なる部門に配属されることもある。転職を考えず、また、転勤や異動について強い希望やこだわりがなければ、遅かれ早かれ誰もが管理職になり、とても働きやすい会社だと言える。また、年齢が若くとも仕事の裁量は広く与えられるため、自身が望めば様々な仕事に首を突っ込んでいける。ルーチンワークに埋没しなければ、積極的に動けば動いただけ、成果を出せるのりしろがある。海外駐在も多いので、グローバルに働きたい人には向いているだろう。
■ チーム制
チームで一つの機械を担当する仕組みであり、一人が担当する範囲は自動車メーカーの比ではないレベルで広い。ただし、その深さは浅い。担当する部品の範囲が広すぎて、自動車メーカーのようなスペシャリストはおらず、専門的な技術力はそれ程高くない。1つ1つの部品、技術を開発するというより、サプライヤーから買った部品やパーツの性能、技術を理解、吸収して、それをアセンブリーする力を持った人が多い。担当する範囲が広いため、工学的知識の範囲も必然的に広く、ジェネラリストとして優れた方が多い。■ 縦割り組織
「食料・水・環境」を軸とした事業を展開しているが、事業間の交流はあまりなく、国内に複数ある工場間でのつながり、情報共有、横展開などは薄い。それぞれの事業に配属されると、その事業部の中でのローテーションというのが通常で、事業部間の異動は簡単ではない。事業部によって雰囲気は大きく異なり、縦割り社会のセクショナリズムが強いため、コーディネート部門は絶対的な調整力が求められる。研究開発職も組織が完全に縦割になっており、同じ会社であっても、他部署・他部門で同じ開発テーマをそれぞれが独自で行っている。当然のことながら、情報やデータなどの共有もないため、非常に非効率だと指摘されている。
機械部門が全体売り上げの80%を占め社長や役員も機械系出身者で占められ、院卒者も多い。2014年に前社長の急死により急遽社長となった木股昌俊社長も機械事業部の出身である。よって非機械部門の社員は肩身が狭い。
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