2018/05/11 クボタ、もみ殻を石炭代替燃料に、実証成功、CO2削減も確認

 クボタはもみ殻を原料にした固体燃料を、石炭の代替として使用することに成功した。鉄管を製造する工場で、半年あまりの試験を実施。十分な燃焼効果が得られたほか、二酸化炭素(CO2)の排出削減も確認できた。環境に配慮した経営に役立つ技術として、本格的な実用化を目指す。

 同社の阪神工場(兵庫県尼崎市)で2017年9月から18年3月末まで、もみ殻を約60%含む「多原料バイオコークス」を使った実証実験を行った。鉄素材の溶解炉に最大で約6%分の同コークスを投入。石炭だけの場合に比べ、同コークスを60トン使用することによるCO2削減効果は約110トン相当になるという。

 同社によると、もみ殻が主原料の燃料を石炭の代わりに使い、一定の成果が得られるのは世界初。

 もみ殻は通常、肥料や畜産の敷き材で使われないと廃棄される。もみ殻を有効活用することで、廃棄コストを削減し、不法投棄を防ぐ効果もある。実証実験は環境省が石炭エネルギーセンター(JCOAL)に委託し、クボタが協力した。

 クボタは20年度までに国内外の生産拠点でCO2排出量を14年度比で14%減らす目標を掲げる。再生可能エネルギーの利用を拡大する方針で、今回の実証実験を弾みに、先進的な環境技術の開発や導入を急ぐ。

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