クボタは2022年度までに、北米の現地調達率を現在の2倍の80%程度に引き上げる。16年に買収した米国の農機具メーカーの購買網をいかすほか、日本の協力会社には現地進出を促す。北米は日本に次ぐ売上高があるが、現地調達は欧州やアジアと比べて低水準だった。コストや製造期間を圧縮し、世界有数の同市場で競争力を磨く。
同社は米ジョージア州に小型の農機や建機の2工場を構える。子会社グレートプレーンズマニュファクチュアリング社(カンザス州)から調達先の紹介を受けるなどし、協力して新規のサプライヤーを開拓。建機と農機が共通して使う油圧の継ぎ手とホースのメーカーなどを現地で発掘する。
クボタは中西部で小型建機の工場新設も計画する。用地選定だけでなく、調達本部も交えた部品会社の探索も始めた。ここで探した協力会社の部品を既存工場で使うことも検討する。複数の日本のサプライヤーの工場の北米誘致も目指す。
17年度の北米での調達比率は金額ベースで44%と、軒並み8~9割の欧州・アジアの各工場と比べて低い。最終製品メーカーが部品も製造するケースが多く、自動車と比べて生産台数が少ない農機は日本の協力会社が進出しにくいのも背景だ。
クボタは海外での顧客開拓に力を入れている。現地調達率の向上は為替リスクの回避や輸送コスト減のほか、発注から納品までの時間短縮、在庫削減の狙いがある。部品の単価を重視するだけでなく現地調達率を高め、部品倉庫の賃料などを含めたトータルでのコスト削減を目指す。
クボタは18年12月期に連結売上高の7割弱を海外で稼ぐ計画。22年度までに米国やフランスでは建機、農機の開発拠点も新設、計400億円程度の積極投資を予定する。
海外では現地での部品調達を増やすのが同社の生産効率化の基本姿勢だ。現地調達比率を18年度内に各国で3ポイントずつ上昇させる計画を掲げている。80%を超えているタイや中国のトラクター工場では22年度までにさらに上げて90%に、まだ80%に届いていないドイツの建機工場などは8割に引き上げる。
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