クボタは2018年4月から国内の工場や事務所で使う電力の調達先を絞り込む。各地の大手電力会社などから購入しているが1社への集約も検討、20年をメドに電気・ガス費を現在から約5%減らす。電気料金は16年4月の家庭用も含めた電力の完全自由化で、電力会社間で差が出やすくなっている。自由化の利点をいかす大手企業の取り組みが明らかになるのは珍しい。
工場など大口需要家への電力販売は00年に自由化されたが、地域間で価格差は小さかった。ただ16年4月の規制緩和までに新電力の参入も増え、大手電力も域外での営業に注力している。原子力発電所の稼働状況の違いもあり、資源エネルギー庁によると、大口向け電気料金は全国平均で1キロワット時14円程度(6月時点)。全国10地域別では最も高い場所と安い場所の価格差は約6円ある。
クボタは18年4月に本社に電力会社との取引を一手に担う部署を設け、担当者2人をおく。電力各社の料金や供給能力を比べ、20年にもすべての電力調達先を新契約に切り替える。すでに17年4月から東日本の一部拠点で試験的に調達先を絞り込み、一定のコスト削減効果を確認した。
同社は国内の生産や販売など800強の拠点がある。従来は電力は各工場や販売会社がそれぞれ契約しており、大手10社と新電力を合わせ15~16社と取引。購入費用はガスも含めて年間で約100億円要していた。
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