クボタは2019年初めにも、地面を削る場所や深さを作業員に指示する機能を持つ建設機械を発売する。まずは北米に投入する。作業員は建機に設置されたモニターで作業内容がわかり効率的に作業ができるほか、測量などの手間が省ける。北米でも工事現場などで人手が不足しており、商機として捉えて現地でのシェアを伸ばす狙いだ。
地面を削ってならす際に使う小型建機のコンパクトトラックローダー(CTL)に、「マシンガイダンス」機能を組み込む。作業現場には「トータルステーション」と呼ぶ装置を置き、建機で土を掘り起こすブレード部分に付けた目印をもとに、建機の位置やどれだけ削ったかを把握する。
トータルステーションを基準に、どれだけ地面を削るかといった値を設定しておくと、実際の状況と照らし合わせながら、建機のモニターに削る場所などを表示する。
一般的な方法では、2人以上で掘削する地面を測量しながら作業する。数回にわたって確認をして、掘りすぎや掘り不足を調整する。時間や人手がかかるほか、熟練した作業員でも精度よく仕上げるのが難しかった。
クボタはマシンガイダンスを小型建機に分類される75馬力や95馬力の機種に搭載する。クボタの販売会社や現地ディーラーなどで販売する。
ガイダンス機能は大型建機で採用が広がりつつあるが、小型建機での普及はこれからだという。クボタの建設機械事業部長、湯川勝彦執行役員は「ミニ建機のトップを狙うために実績をつくりたい」としている。
クボタは小型建機に強く、なかでも北米が主力の市場だ。米国では公共投資や住宅着工が堅調で、販売台数が伸びている。北米では米ボブキャット社がシェア3割弱で首位。その後に米キャタピラー社が続き、クボタは3番手で15%程度だ。同社は22年までに20%のシェアを目標にしており、ガイダンス機能を搭載して競争力を高める。
近年、土木施工をICT(情報通信技術)で効率化する動きが広がっている。特に北米や日本では人手不足と熟練作業員の減少が深刻になっている。英調査会社のテクナビオによると、22年の世界建機市場は18年比37%増の2862億ドルに拡大する見込みで、特に通信で車両状態を把握する「テレマティクス」などのICTを取り込んだ建機などが増えるとされている。
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