――2018年の景気をどうみますか。
「世界全体でまずまずの状態が続く。欧米の景気は良く、住宅着工や設備投資が旺盛だろう。米国では人口増加で住宅街が郊外に広がり、当社も住宅建設に使う小型建機や芝刈り機の販売が好調だ。欧州では排ガス規制の強化をにらみ、建機などに使うエンジンの駆け込み需要が出ている。国内景気は横ばいだろう」
――17年12月期の連結売上高は1兆7000億円の見通しですが、19年12月期目標は2兆円です。
「(達成への)道筋は見えている。まず18年12月期は約1兆8500億円としたい。欧米の売上高はそれぞれ10%程度伸ばす。ノルウェーと米国では耕運や草刈りなどのためにトラクターでけん引する作業機の受注残が前年同期と比べ1~2割伸びている」
「これまで両地域では穀物価格の低迷で、大規模農家が設備投資を控えていた。安価なシェールガスの普及でバイオ燃料用のトウモロコシなどの需要が減ったからだ。ただ農作業には消耗の激しい作業機の更新が欠かせない。農家が我慢できなくなり再び受注が増えている」
――欧米で畑作用に投入した大型トラクターの販売が伸び悩んでいます。
「農家の購入意欲は(高額な)トラクター本体にはまだ及んでいない。ただ新製品は不況期の昨年に本格投入したのでほとんど売れないと思っていたが、性能やサービスを評価し購入した顧客もいた。18年には顧客から得た要望を反映した改良版を投入する」
――米国で利上げのリスクは。顧客のローン金利を肩代わりする今の販売奨励策の費用負担が増えますが。
「米国の利上げは景気を冷やすほどではなく、好調な小型建機の販売には影響しないはず。販売奨励策の金利負担はやや増えるが、コスト削減や販売増で吸収できる」
――関西経済の見通しをどうみますか。
「関西企業の業績も国全体と連動して悪くない。円高も極端でなければ外国人観光客にも響かないだろう。日本を好きな人が増え、リピーターや口コミも増えているからだ」
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